アメリカでは、1月は、離婚月間とも呼ばれるほど離婚が多いとされている月です。
実際に統計上で増えているといえるかどうかは何とも言えないようですが、離婚案件で弁護士が忙しくなる時期であることは間違いないようです。
なぜ1月に離婚(騒動)が増えるかというと、それはクリスマスが原因です。
日本のお正月に代わり、アメリカではクリスマスが家族で集まる一大イベント。
家族が集まるイベントで勃発するもの、それはもう、嫁姑問題に代表される義実家とのあれやこれやですね。ここアメリカでも、よくあるんですよ。
いくら苗字が旧姓のままでも、経済的に自立していても、戸籍上は独立していても、関係ありません。夫の実家では、嫁は外部から来た新入り、元来、立場は弱いのです(夫が妻の実家で立場が弱い場合は、以下、主語を入れ替えて読んでください)。
そして、弱きを叩くのは、自然な集団心理。組織論的に言えば、人間が複数人集まると、力関係が生じるのは、至極、当然のことなのです。
つまり、お嫁さんの立場というのは、もとより「虐められる」立場。いかに本人が努力したとて、それは血の繋がりの上に何十年も築き上げられてきた確固たる集団の前では、大した影響は持ちません。この外部からやってきた新人をスケープゴートにすることなど、非常に容易いことなのです。
もし、嫁虐めがない義実家があるならば、それは、夫が妻をしっかり守っているか、義家族が余程わきまえているか、義両親が優れたリーダーシップを発揮しているか、あるいは義両親など力を行使できる立場の人間が不在か、というような構造上の理由に起因します。繰り返しますが、これは力関係が生じる集団心理であり、ロマンスだとか愛だとかで乗り越えられる問題ではありません。
ですから、妻がどれほど献身的に家族を支え頑張ろうと、それと義実家での虐めの有無は関係ないのです。むしろ、頑張るほどに虐めがエスカレートしていく場合すら、あります。
そうした義実家カーストの一番下にいる妻が、やがて自身の役目に疑問を持ち、その集団から離脱したいと思うのは、当然のことでしょう。
アメリカでは、クリスマスは、義実家カーストが明るみになる日でもあるんですね。きっと日本のお正月もそういう側面があるのだろうと思いますが、アメリカでも、クリスチャン、インド系、ユダヤ系、アジア系、宗教も人種も超え、実に様々な人たちが、義実家との関係に悩み、投稿しているのを沢山見かけます。
もちろん、夫婦という最小単位のチームさえしっかり機能していれば、そんな集団力学に負けずに済むのですが、そう理想通りにはなかなかいかないのが現実というもの。
もし嫁虐めのない義実家であれば、その幸運に感謝しつつチームの手綱を決して緩めず、もし嫁虐めをされているのであれば、どんな集団に囲まれているのか冷静に分析し、境界線をしっかり引いて自分を守りましょう。
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